AIの進歩によって、漫画は好きだけど、絵が苦手という方でも漫画を作れる時代になりました。
前回の記事ではそんな中でChatGPTを使って、簡単な1コマ漫画を作るといった記事を書かせていただきました。
本記事では、さらに深堀をして、完全無料で使えるAIツールを組み合わせて、初心者でも迷わず漫画制作と発信まで進められる具体的な方法を解説します。
文章作りはChatGPT、イラスト生成はMage.space、編集は専用ツールといったそれぞれの強みを活かすことで、ひとつの作品が完成します。
今回、副業としての出版・SNS公開・素材販売まで、0円で始められる収益化までのステップも解説していきます。
「漫画を作りたい」「コストをかけず副業したい」「AIで漫画を作ってみたい」という方に向けて、実際に手を動かすだけで成果につながるよう、再現性の高い手順を厳選して紹介します。
使用するツール一覧
複数のAIツールを組み合わせることで、「ストーリー作成→イラスト生成→編集→公開」までスムーズに進められます。
選定基準は「完全無料で使える」「初心者に優しい」「漫画制作に必要な機能を網羅」の3点です。
使うツール(役割別)
- ChatGPT(文章生成):ストーリー、セリフ、画像生成用プロンプト作成
- Mage.space(画像生成):キャラ・背景の高品質イラスト生成(ブラウザで無料)
- OpenPose Editor(ポーズ作成):同じキャラのポーズを揃えるための指示画像作成
- Manga Editor Desu!(編集・出力):コマ割り、吹き出し、PDF書き出し
複数のツールを使う理由としては、それぞれのAIツールに得意不得意があり、組み合わせることによって、最高のパフォーマンスを発揮することができるからです。
文章系はChatGPTが得意、画像はStable Diffusion系のMage.space、コマの整列と書き出しは漫画編集ツールが得意という具合に、それぞれの強みを活かして人の負担を最小化・AIのパフォーマンスを最大化します。
ツール①:ChatGPT(登録・使い方)
ChatGPTは「何を描くか」を決める最初のエンジンです。
良いイラストは良い設定から生まれます。
ここでは無料アカウントの作り方と、初心者向けに具体的な指示例を丁寧に示します。
登録方法
- ブラウザで「OpenAI ChatGPT」を検索して公式へアクセス
- Google/Apple/メールで無料登録(画面の案内に従うだけ)
- ログイン後、無料モデルを選択して使い始める
使い方説明
ChatGPTには「テンプレートプロンプト」を用意しておくと楽です。
短い漫画ネームを作る時の入力例
「高校生主人公のほのぼの4コマ漫画を作ってください。登場人物は主人公(内向的)、友人(明るい)、猫(擬人化)。ストーリーは日常の小さな驚きで、4ページに分け、各ページにセリフをつけてください。」
こうすると、プロットとコマごとのセリフ案が一気に出ます。
重要なのは具体的に条件を書くこと(感情、場面、ページ数など)です。
ツール②:Mage.space(画像生成)
Mage.spaceはブラウザだけで使える画像生成ツールです。
登録不要で試せるため、まずは「テスト生成」して感触をつかみましょう。
生成時のコツと、漫画用に安定させる方法を具体的に説明します。
登録・起動のハードルはゼロ
- サイトを開けばすぐに生成画面が表示されます。
- 面倒なインストールやクレジットカード情報は不要です。
漫画制作のように一定のキャラを継続生成したい場合は、アカウント登録をすると以下のメリットがあります。
- 生成した画像の履歴が残る
→ 後から「このときのseed値や設定を再利用」できる - モデルやプロンプトの設定を保存できる
→ 毎回選び直す手間が省ける - 画像の管理が楽になる
→ コマごとのキャラ違いを比較しやすい
もちろん、登録しても料金がかかることはありません。
まず非ログインで試して、「継続して漫画を作ろう」と感じたら無料アカウントを作るとスムーズです。
初心者向けプロンプトと設定例
プロンプトは文章力ではなく「具体性」が命です。
ChatGPTで作ったキャラ設定をそのまま貼ると安定した生成が行えます。
女性キャラを作る時の入力例
「若い女性、肩までの黒髪、澄んだ瞳、セーラー服、少し照れた表情、フルボディ、アニメ風、線画をはっきりさせてください。」
一貫性を保つための手順
- 毎回同じキャラ説明文をテンプレ化して使う
- 可能ならseed値(乱数の種)を固定する(同じ画像を再現しやすくする)
- 服や髪型の細かい要素は必ず書き切る(「short hair」だけでなく「肩で切り揃えられた黒髪」など)
これで、コマごとに違う生成でも同一キャラ感を維持できます。
ツール③:OpenPose Editor(ポーズ統一)
漫画では同じキャラが複数コマにまたがるため、ポーズの整合性が重要です。
OpenPose Editorは「棒人間」を動かしてPNGで書き出せるツールで、Mage.spaceに読み込めばキャラを同じ姿勢で生成できます。
使い方
- ブラウザでOpenPose Editorを開く
- 並んだスライダーやハンドルをドラッグしてポーズを作る
- 正面・横向きなど必要な角度でPNGを書き出す
- Mage.spaceで「pose画像」を参照として読み込む(参照画像をアップロードする機能を使う)
なぜOpenPose Editorが重要なのか
同じキャラの手の位置や目線がページ毎にバラバラだと、読者は違和感を覚えます。
OpenPoseで基準を作れば、キャラの見え方が一定になり、結果として読みやすい漫画になります。
ツール④:Manga Editor Desu!(編集・書き出し)
Manga Editor Desu!はコマ割り・吹き出し・文字入れを直感的に行える編集ツールです。
ここでレイアウト調整をしてPDFにまとめれば、すぐに電子書籍やSNS用ファイルになります。
基本操作
- 画像をドロップ → 自動でコマ枠に収まる
- 吹き出しツールを選んでセリフを入力
- フォントサイズや文字の間隔はページ単位で調整可能
- 複数ページをまとめてPDF出力
実務的なコツ
漫画は文字量とコマの空白のバランスが大事です。
セリフが長すぎると読みづらくなるため、ChatGPTで出したセリフは「吹き出しに入る長さ」に編集してから配置しましょう。
読みやすさを意識して行間・文字サイズを微調整することが、プロっぽい仕上がりのカギです。
実作業手順(コストゼロで漫画を作る流れ)
ここからは実際のワークフローです。
手順ごとに「やること」と「チェックポイント」を明示します。
読みながら実際にツールを開いて動かしてみることをおすすめします。
STEP1:ChatGPTでネーム(漫画の設計図)を作成する
やること
チェック項目
STEP2:OpenPoseでポーズを作成する(必要に応じて)
やること
チェック項目
STEP3:Mage.spaceでイラスト生成
やること
チェック項目
STEP4:Manga Editor Desu!で組版作業(漫画ページ化)
やること
チェック項目
STEP5:PDF書き出し・最終確認
やること(ひとつずつ)
チェック項目
各ステップの具体的操作(プロンプト/パラメータ例)
ここでは「すぐ使える」具体的なプロンプトとパラメータを示します。
まるごとコピペして試せるようにしてあるので、まずは試してみてください。
ChatGPT用:ネーム作成プロンプト(例)
「日常系の4コマ漫画のネームを作ってください。主人公は内向的な学生、友人は元気なクラスメイト、テーマは“失敗からの成長”。各ページに見出し、コマ割り案、セリフ(吹き出し単位)を書いてください。」
Mage.space用:キャラ生成プロンプト(例)
「若い女性、肩までの黒髪、薄い笑み、セーラー服、アニメ風、目は大きめ、自然光の背景、胸像もしくは全身、線画の強調、high detail」
OpenPose用:書き出し時の注意
正面、斜め45度、横向きの3種類を用意しておくと後の編集が楽です。
収益化モデル別の手順(Kindle/YouTube/SNS/BOOTH)
完成した作品は複数の収益化ルートが存在します。
ここでは0円で始められる手段ごとに、具体的なやり方と注意点を解説します。
Kindle(KDP)で出版する
KDPで出版する方法とポイントを紹介します。
手順
- KDP(Kindle Direct Publishing)のサイトへアクセスする
- Amazonアカウントでログイン、または新規作成
- KDPの著者アカウントを無料で作成
- 「新しいタイトルを作成」をクリック
- マンガの書誌情報(タイトル・著者名・概要)を入力
- 言語・カテゴリー・出版地域を設定
- PDF形式の原稿(漫画データ)をアップロード
- 表紙データをアップロード
- 価格設定画面でロイヤリティ(35%または70%)を選択
- 入力内容を確認し「出版」ボタンを押す
ポイント
KDP公開時の注意点
解像度(dpi)
最低300dpi相当が推奨です。
画質が粗いと審査落ちやクレームの原因になるため、Mage.spaceでは大きめに画像生成しましょう。
その後、Manga Editor Desu!で縮小して取り込むと画質が保たれやすいです。
ページ比率
縦長・横長どちらでも出版できますが、漫画なら縦長が一般的です。
表紙などは以下の計算ツールを使うのがよいでしょう。
KDP表紙計算ツール:https://kdp.amazon.co.jp/cover-calculator
ファイルサイズ
大量の画像をそのまま入れるとアップロードが重くなります。
必要に応じて画像を軽く圧縮したほうがよいですが、圧縮しすぎると線がにじむので注意しましょう。
100MBを超えるとアップロードでエラーが発生することもあります。
YouTube(漫画動画)で収益化する
次にYouTubeでの手順とポイントを紹介します。
手順
- 漫画のコマ画像を用意する
- 動画編集アプリ(例:CapCut / VN)を開く
- コマを時間軸に沿って並べる
- トランジション(切り替え効果)を必要に応じて追加
- ナレーションまたは字幕を入れる
- BGMや効果音を追加
- 16:9または9:16の縦横比に調整
- YouTubeへアップロード
- タイトル・説明欄・サムネイルを設定
- 公開する
ポイント
SNS(X / Instagram / Threadsなど)でファンを増やす
SNSでの手順とポイントを紹介します。
手順
- 漫画を1話ごとに分ける(1ページ単位でOK)
- 投稿用に画像サイズを最適化(縦長推奨)
- X / Instagram / Threadsに投稿
- 関連ハッシュタグを付ける
- 継続して投稿してファンを増やす
- 広告収益プログラムまたはスポンサー支援へ誘導
- 作品紹介リンク・告知用投稿を作る
ポイント
BOOTH(デジタル素材販売)で収益化する
BOOTHでの収益化までの手順とポイントを紹介します。
手順
- 販売する素材(背景・差分・アイコン等)を用意
- フォルダごとに整理し、見やすい形にまとめる
- BOOTHのアカウントを作成(無料)
- 新しい商品ページを作成
- 素材セットをZIPにまとめてアップロード
- タイトル・説明文・サンプル画像を設定
- 価格設定(無料/任意価格/固定価格)を選ぶ
- 公開ボタンを押す
ポイント
著作権・利用規約のチェックポイント
無料ツールとはいえ、商用利用や既存キャラクターの類似に関して注意が必要です。
安全に販売するうえで具体的に「やってはいけないこと」と「確認すること」を明確にします。
やってはいけない例
- 有名キャラクター(版権物)を模した作品の販売すること
- 他人の作品をトレースしたり、著作権で保護された要素を無断使用すること
事前に確認すること
- Mage.spaceや利用するモデルの商用利用可否(サイト上の利用規約を確認)
- 使用したBGM・フォント・素材のライセンス
これらを怠ると著作権侵害で販売停止やアカウント凍結のリスクがあるため、必ず確認してください。
よくある失敗と対処法(生成がうまくいかない場合)
AIで漫画用の画像を生成していると、多くの人が必ずと言っていいほど似たような問題にぶつかります。
ただし、これらは原因がはっきりしていることが多く、手順に沿って修正すれば必ず改善できます。
ここでは初心者が最初に遭遇しやすい失敗と、その具体的な対処法をわかりやすく解説します。
顔が崩れる場合
イラスト生成で最も多いのが「顔が安定しない」「毎回別人になる」という問題です。
これはプロンプトの品質指定が弱いか、視線やポーズが不安定なときに起こります。
プロンプトに 「best quality, detailed face」 のような品質キーワードを追加すると、顔のディテールが格段に整います。
さらに、OpenPoseを併用して目線や角度を固定すれば、コマごとに別人になる現象を大きく減らすことができます。
服装がブレてしまう場合
同じキャラクターのはずなのに、コマによって服や色が微妙に変わってしまうこともよくあります。
これは服装の説明が抽象的すぎるのが原因です。
「セーラー服」だけでは情報量が足りないため、「紺色のセーラー服・白い襟・胸元に赤いリボン」のように具体的に書くと安定します。
一度安定したプロンプトができたら、テンプレートとして保存し、すべての画像生成に使い回すとブレがほとんどなくなります。
文字が小さくて読めない場合
吹き出しの中の文字が小さい、あるいはスマホ表示で潰れてしまうという問題もよくあります。
これは編集段階で「吹き出しの大きさ」か「フォントサイズ」のどちらかが不足していることが原因です。
Manga Editorでフォントを大きく調整し、吹き出しの余白をしっかり確保するだけで解決できます。
最終確認としてスマホで必ず読み、読者が実際に感じる読みやすさを確認することが重要です。
背景が毎回変わってしまう場合
キャラは安定していても、背景がコマごとに別物になると世界観がちぐはぐになります。
生成時のプロンプトで「背景:教室」や「背景:室内(窓がある)」程度でも良いので必ず指定を入れると安定します。
もしくは背景を別途生成し、コマ編集時に同じ背景を読み込む方法も有効です。
手や指が不自然になる場合
AI生成で特に乱れやすいのが手の形や指の数です。
OpenPoseを使い、手の位置・角度を明確に指定することで大幅に改善します。
それでも難しい場合は、手だけ別画像を生成して差し替えるという方法もあります。
漫画はコマ単位でパーツを組み合わせられるため、この方法は意外と使われています。
表情が狙った雰囲気にならない場合
喜怒哀楽を細かく表現したい場面で、「ただ微笑んでいるだけ」「思ったより冷たい印象になる」といった齟齬が起きることがあります。
この場合、表情の説明をより具体的にし、「口角を少し上げて照れた表情」「眉を下げて不安そう」など、身体的特徴で指示すると安定します。
AIは抽象表現よりも、目・眉・口の状態を文字で指定されるほうが正確に再現できます。
ラフ構図が変わってしまう場合
せっかくOpenPoseでポーズを指定しても、髪型や服装の情報が弱いと構図が変わることがあります。
これは画像とテキストの情報量のバランスが崩れている状態で、プロンプトに補足説明を加えて調整できます。
「キャラの位置は中央」「胸から上のバストアップ」「左手は胸の前」など細かく指示すると、格段に構図が安定します。
線がにじんだりぼやけたりする場合
生成時点で低サイズだと、拡大時に線がぼやけてしまうことがあります。
Mage.spaceで最初から大きめサイズで生成し、必要に応じて縮小すると線画が綺麗に保たれます。
逆に、最初から小さい画像を無理に拡大するとほぼ確実に劣化します。
共通する対処法:テンプレ化が最大の近道
これらの問題は、一見バラバラに見えますが、すべて「情報の不足」か「プロンプトのばらつき」に起因します。
最初にキャラ説明・服装・背景・構図・品質キーワードをまとめたテンプレートを作ってしまえば、ほとんどの失敗は事前に防げます。
生成AIは安定しているようでいて、実は「指示の精度」に正直です。
テンプレ化こそ、最も効率的で、失敗を最小限にするための最短ルートになります。
FAQ(よくある質問)
制作や収益化、著作権に関するよくある質問をピックアップし、短く明確に答えます。
Q1:本当に無料で始められますか?
A1:はい。本記事で紹介したツールは無料で基本機能が利用可能です。ただし高解像度出力や追加機能が有料の場合もあるため、使う前に確認してください。
Q2:AIが生成した作品は商用利用できますか?
A2:ツールによります。Mage.spaceなどは基本商用利用が可能なモデルもありますが、使用するモデルや素材ごとに利用規約を確認してください。
Q3:キャラが毎回違う顔になります。どうすれば良い?
A3:プロンプトの詳細化、seed固定、参照画像の利用、OpenPoseでのポーズ固定を試してください。
Q4:Kindleに出すときのサイズは?
A4:一般的には縦長のページ(6×9インチ相当)やKDPの推奨サイズに合わせるのが無難です。PDFをアップロードする前にプレビューで確認してください。
Q5:収益化までどのくらい時間がかかりますか?
A5:コンテンツの品質とプロモーション次第ですが、初投稿で反応が出ることもあります。一般的には数週間〜数か月で安定してきます。
Q6:AI生成だと炎上しませんか?明記したほうが良いですか?
A6:透明性はトラブル回避につながります。AI生成であることを公開説明に記載すると、安全に運営できます。
まとめ(実行プランと次のアクション)
最後に、今日からできる実行プランを短く提示します。
迷ったらこの順で動いてください。
今日からの3ステップ(実行プラン)
- ChatGPTでネームを作る(30分)
- Mage.spaceでキャラと背景を生成(1時間)
- Manga Editorで組版→PDF書き出し→公開(1〜2時間)
この記事の手順通りに進めれば、1日で試作品、数日で公開レベルの作品が作れます。
制作の肝は「どの言葉を入れるか」「どの基準で統一するか」にあります。
本記事ではその「言葉」と「基準」を具体例とテンプレで示しましたが、まずは一度、この記事にあるプロンプトをそのまま試してみてください。
手を動かすことで見えてくる改善点や上手くいく点が必ずあります。

